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サイトギと似鳥

最終更新日:2022年3月1日
サイトギ
サイトギ(写真提供:二戸市)
オコモリ
オコモリ

馬淵 まべち がわ と安比川との合流域にあたる二戸市 似鳥 にたどり 地区に「似鳥八幡神社」があります。当社では旧暦の1月6日(今年は新暦2月6日)に4百年以上の歴史を持つ伝統行事である「サイトギ」が行われます。

「サイトギ」は国の選択無形民俗文化財で、 井桁 いげた に組んだ木の やぐら 祭齊 さいとぎ さい 燈木 とぎ )を燃やした時の火の粉が舞った方角やオコモリ(米・麦・ヒエ・アワ・キビの五穀を混ぜて炊き柱状に凍らせたもの)と称するお供え飯の崩れ方で、その年の作柄を占う行事です。

始めに男衆が みず 垢離 ごり で心身の けが れを はら った後、冷害をもたらすヤマセの有無を判断します。燃え盛る櫓を長い棒で思いきり叩くと火柱や火の粉が舞い上がり、火の粉の流れる方向により石段側(南側)に流れれば豊作、社殿側(北側)であれば凶作といわれます。

またオコモリを1週間前から神殿に供え、崩れたり稀に虫がついたりすれば凶作とする一方、しっかりと形を保っていれば豊作とされ、これらを考慮して宮司からご託宣がくだされます。

こうした伝統はこの地の領主で戦国武将だった似鳥氏の時代から続いてきたとみられます。似鳥氏は ぜん 九年 くねん の役で源頼義・義家軍の勝利に貢献し、後に陸奥守となった源義家から甲冑を拝領したといわれる有力な武将でした。

その似鳥が今また注目を集めています。それはニトリホールディングスの創業者 似鳥 にとり 昭雄氏のルーツとなっているためです。自伝では先祖は盛岡藩の家老であり、戊辰戦争後北海道へ移住し、昭雄氏はその4代目ということです。移住した一族のうち本家がニタドリを名乗り、分家であった昭雄氏の先祖はニトリとしたようです。

サイトギは五穀豊穣、無病息災を祈願するもので人々の想いや生活と神事が一体となった地域の文化といえます。残念ながら今年は新型コロナウイルスの影響で行事は中止となりますが、伝統の継承や現代社会との繋がりといった新たな発見にも注目していきたいものです。

  • 問合せ先:似鳥八幡神社
  • 住所:岩手県二戸市似鳥字林ノ下37

(岩手経済研究2022年2月号で紹介)