二戸市金田一温泉郷は1626年の開湯といわれ、南部藩の指定湯治場だったことから「侍の湯」と呼ばれ、古くから多くの湯治客で賑わっていました。泉質は低張性アルカリ単純泉で、言語学者の金田一京助や作家の三浦哲郎ゆかりの宿など現在は6軒の入浴施設があります。
泉質もさることながらこの温泉郷は「座敷わらし」が棲むという言い伝えで有名です。座敷わらしはおかっぱ頭の着物の子供の姿をした精霊で、家に居着くと幸福と繁栄をもたらし、去ってしまった家は衰退するといわれます。
温泉郷内の旅館「緑風荘」の座敷わらしは「
その後、槐の間に宿泊した多くの政治家や文化人、経営者などが成功を収めたことが評判となり、男は出世し女は玉の輿にのるといわれ宿は賑わいました。しかし2009年10月に失火で全焼してしまいました。ただこの時、宿泊していた耳の不自由な親子が「火事だ。逃げろ」という声を聞いて難を逃れたり、着物姿の
2016年に宿は再建され、現在も緑風荘のみならず温泉郷内の旅館で座敷わらしをみたという話が寄せられます。部屋で撮った写真や動画などにオーブ(光の玉)が時折映るそうです。
温もりが恋しい季節になりました。座敷わらしとの対面を期待しつつ温泉郷に出かけ体を癒したいものです。
参考文献:二戸市「広報にのへ2020年12月1日号」
- 問合せ先:二戸市商工観光流通課
- TEL:0195-43-3213
(岩手経済研究2021年10月号で紹介)