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道の駅たのはた「思惟の風」

最終更新日:2021年4月1日
整備が進む「道の駅たのはた」
整備が進む「道の駅たのはた」
略図
略図

沿岸北部田野畑村にある「道の駅たのはた」が、三陸沿岸道路開通に合わせてリニューアルのうえ現在地の北側に移転されます。3月末のプレオープンを経て4月22日にはグランドオープンを迎えます。またこの道の駅は田野畑中学校生4人が考えた「 思惟 しい の風」という愛称がつけられますが、これは近くに「思惟の森」や思惟大橋があることと、村のきれいな海( Sea シー )に由来するものです。

建物は地下1階・地上2階、木造一部鉄筋コンクリート造で、正面には広い軒下スペースが設けられており、雨天でも交流イベントやマーケットが開催できます。また、館内はレストランや地場産品の販売のほか住民同士の交流や子育ての場など地域活性化の機能も有します。さらに非常用発電機や貯水槽も備えるなど防災拠点ともなり、地下に整備した加工体験室は災害時には炊出し等にも活用可能です。駐車場は大型車25台、小型車46台のほか、車中泊専用スペースも確保しています。

周囲の林は遊び場として開放され、研修交流施設「生きがいの館」への散策路があり、南西側には愛称の由来のひとつとなっている「思惟の森」があります。

「思惟の森」の歴史は、1960年、早稲田大学商学部の小田泰市助教授とそのゼミ生が農村体験のため田野畑村を訪れ、豊かな自然と素朴な人情に触れたことに始まります。翌春には大規模森林火災となった「三陸フェーン火災」が村を襲い森が焼き尽くされましたが、小田先生とゼミ生は森林復興に向け毎年村を訪れ、植林活動を続けました。その後、小田先生の「厳しい環境の中で生きてきた村人と触れ合い、思想や上下の別なく同じ星の下で同じ釜の飯を食べ人生を語る」という人間教育の必要性の考えと当時の村の教育立村構想が一致したことで「思惟の森の会」が発足し、セミナーハウスの建設をはじめとした自然教育の場が実現するなど当時の思いが受け継がれています。

東日本大震災から10年となる今年は、森林火災からは60年となります。大規模な火災からの復興を実現し人間教育の一翼を担ってきたこの森の歴史と意義をあらためて考え、新しい道の駅が地域における震災復興の先の未来につながっていくことを期待したいと思います。

  • 問合せ先:田野畑村政策推進課
  • TEL:0194-34-2111

(岩手経済研究2021年3月号で紹介)