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角塚古墳と化粧坂薬師堂

最終更新日:2021年2月1日
国指定史跡「角塚古墳」
国指定史跡「角塚古墳」
久須志神社門前
久須志神社門前

奥州市胆沢 南都田 なつた に、県内唯一の前方後円墳で日本最北端に位置する 角塚 つのづか 古墳があります。築造は5世紀後半で、周濠跡からは円筒埴輪やウマ、ニワトリなどの動物埴輪が見つかっています。

角塚の由来として次のような伝説があります。この地に高山 掃部 かもん という長者が住んでおり、その妻は強欲であったがために口が耳元まで裂け、頭に角が生えた大蛇になってしまいます。それ以降、大蛇は人家を襲い村人を苦しめたうえ、さらに生け贄として15歳になる娘を差し出すよう求めてきました。そこで村人は肥前国松浦(現在の佐賀県)から 小夜 さよ という娘をもらいうけて差し出すことにしました。当日、小夜は近くにある化粧坂の湧き水で身を清め、肌身離さず持ってきた 念持仏 ねんじぶつ を髪の中に隠して沼のほとりで大蛇を待ちました。やがて嵐になり大蛇が姿を現したので、小夜は一心不乱に経を読みながら、襲いかかる大蛇に向かって 経文 きょうもん を投げつけました。すると経文は大蛇の頭に当たり角が抜けて元の奥方に戻り、その抜けた角を埋めた場所が角塚古墳であるといわれています。

伝説では、小夜はこの地の安寧を願って念持仏を化粧坂に残し、湧き水を携えて故郷松浦へと帰りました。そしてこの水を盲目の母の目につけたところ、たちまち目が見えるようになったということです。

この小夜にまつわる伝説は佐用姫、佐夜姫などとして角塚古墳のほか松浦地方など全国各地でみられ、松浦から胆沢までの旅のエピソードに由来するものもあります。

角塚古墳から南に下った化粧坂にある 久須志 くすし 神社の境内の薬師堂に小夜の念持仏と伝えられる薬師如来像が祀られており、ここにお参りすれば伝説に倣い眼病に効能があるといわれています。

薬師如来は、人々の病気をなおして災難を鎮め、人々を苦しみから救うといわれます。角塚古墳伝説にまつわる化粧坂薬師堂に参拝し、一刻も早いコロナ禍の終息を願いたいものです。

  • 問合せ先:奥州市教育委員会事務局歴史遺産課
  • TEL:0197-34-1316

(岩手経済研究2021年1月号で紹介)