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不思議な伝説の巨石「続石(つづきいし)」

最終更新日:2020年7月1日
続石
続石(写真提供:遠野市観光協会)
泣石
泣石

盛岡市から遠野市に続く国道396号沿いの遠野市綾織町の山中に、弁慶が乗せて作ったといわれる「続石」があります。

2つ並んだ石の上に幅7m、奥行5m、厚さ2mの巨石が笠石として乗り、鳥居型に見えますが、実際は片方の石の上だけに乗り、もう片方の石との間にはわずかに隙間がある不思議な巨石です。

柳田國男の『遠野物語拾遺(増補版)』では、続石はヨーロッパを起源とし、縄文時代晩期に朝鮮半島を経由して日本に伝わり弥生初期には途絶えたといわれるドルメンという墓石に似ているとして、弁慶伝説を伝えています。

伝説では、弁慶は当初、笠石を近くにある別の石に乗せました。しかし、乗せられた石が「自分は位の高い石なのに上に石を乗せられたままとなるのは無念」と一晩中泣き明かしたため、弁慶は笠石を下ろし足に掛けて運び直し今の石に乗せたといわれています。

そして、その時の弁慶の足跡が笠石の窪みとして残ったとされ、泣き明かした石は「 泣石 なきいし 」として続石の脇の林間にひっそりと鎮座し、雨の日は涙のように雫を垂らしています。

また初版の『遠野物語』では、続石の奥にある遠野三山のひとつである 石上 いしがみ (石神)山に入った岩陰で、赤い顔の男女と出会った鷹匠が戯れに腰の刀を振りかざした途端、男に蹴られ、その後数日病んでなくなりました。この死を不審に思った家人が山伏に相談したところ、「その男は山の神で、遊んでいる所を邪魔され、その祟りで死んだのだ」と山伏が告げる話が語られ、続石の周辺が人間界と異界との境界域であったことを伝えています。

続石は今も人工か自然の奇跡かは定かではありませんが、奇妙なバランスを保つ続石は見上げるほどに大きく、謎に満ちた神秘的な雰囲気を漂わせています。

  • 問合せ先:遠野市観光協会
  • TEL:0198-62-1333

(岩手経済研究2020年6月号で紹介)