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旧岩谷堂共立病院(旧町役場)

最終更新日:2020年4月1日
旧岩谷堂共立病院
旧岩谷堂共立病院(写真提供:奥州市教育委員会)
菊田一夫記念館(奥州市江刺)
菊田一夫記念館(奥州市江刺)

3月30日から始まるNHKの朝の連続ドラマは、昭和の代表的作曲家 古関裕而 こせきゆうじ とその妻をモデルに音楽と共に生きた夫婦の物語です。古関は戦前、軍歌やプロ野球の巨人・阪神の球団歌などを作曲しましたが、戦後は劇作家で作詞家の菊田一夫とのコンビで「とんがり帽子」や「イヨマンテの夜」「君の名は」など数々の歌を大ヒットさせました。

その中のひとつ「とんがり帽子」は、昭和22年~25年末までNHKラジオで放送され、その後映画化もされた菊田一夫原作の「鐘の鳴る丘」の主題歌です。

物語は戦後、戦災孤児が街にあふれていた時代に、戦地から復員した主人公が孤児達と知り合い、信州の里山で共同生活を行いながら強く明るく生きていく様を描いたものです。当時の世相を反映し、多くの共感と感動を呼び、ラジオドラマは、当初放送は土日の週2回でしたが、もっと放送して欲しいという投書が殺到し週5回にしたほどで、主題歌が23年の選抜高校野球の入場行進曲にもなりました。

ドラマでは、共同生活をした施設は丘の上にあり、尖った屋根の時計台から鐘の音が流れるという設定で、そのモチーフとなったのが、奥州市江刺にある当時の岩谷堂町役場です。

この建物は明治7年、岩谷堂共立病院として建てられ、閉院後は役場のほか学校としても利用されました。戦時中、菊田は岩谷堂出身の書生の世話で役場近くの旅館に家族を疎開させていました。建物の上部には鐘付き塔屋があり、親と別れ孤児同然だった幼年期を過ごした菊田はそこからドラマを着想したといわれています。

現在、この建物からは朝と夕方「とんがり帽子」の曲が流れます。テンポの良い明るいメロディが一日のはじまりと終わりを告げ、「緑の丘の赤い屋根 とんがり帽子の時計台…」の歌詞どおりの風景の中に響き渡ります。

  • 問合せ先:旧岩谷堂共立病院
  • TEL:0197-35-7830
    ※冬期休業(11月16日〜3月19日)時は奥州市教育委員会歴史遺産課(TEL:0197-34-1315)

(岩手経済研究2020年3月号で紹介)