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120周年の国立天文台「水沢VLBI観測所」

最終更新日:2019年12月2日
120周年の国立天文台「水沢VLBI観測所」 ~奥州市~
巨大ブラックホール撮影に関わった本間所長(中央)ほかスタッフのみなさん
(写真提供:国立天文台)
国立天文台水沢VLBI観測所本館
国立天文台水沢VLBI観測所本館

奥州市にある水沢VLBI観測所は、国立天文台の観測所です。

1898年の国際測地学協会総会において北緯39度8分にある世界6ヵ所での緯度変化観測事業が決定され、翌年その1ヵ所として水沢(現在の奥州市水沢)に臨時緯度観測所が設置されて今年で120年となります。

当時の天文学の課題は「極運動」の解明でした。地球は自転のほか極運動という予測不能な揺動も起きます。北極を上から見ると反時計回りにやや不規則な円を描くような移動が発見され、揺動が起きると観測点の緯度や経度が変化します。

初代所長木村 ひさし は、国際測地学の研究拠点として月や太陽など他の天体の引力により地球に起こる地球の変形の測定などを当所で行い、その観測結果から、それまでの緯度変化と極運動の関係式に「Z項を加える修正」を導き出すという世紀の大発見を成し遂げました。

現在も、水沢VLBI観測所として、天体からの電波の干渉を利用し電波望遠鏡のアンテナ位置と天体の距離を精密に測る「超長基線電波干渉法(VLBI)」の技術を活用した銀河系の立体地図を作るプロジェクト(VERA)など、世界最先端の研究を行っています。

今年4月、地球上の8つの電波望遠鏡を結合させた国際協力プロジェクト(EHT)が、アンテナ間の距離を利用した圧倒的感度と解像度を持つ地球サイズの仮想的望遠鏡を作り、巨大ブラックホール撮影に成功したと発表しました。撮影したのは大規模銀河団の中で地球から最も近い(5500万光年)おとめ座銀河団楕円銀河M87の中心にある巨大ブラックホールです。このプロジェクトの日本チーム代表は当所の本間希樹所長で、当所スタッフも多大な貢献をしました。

この機会に新旧の世紀の偉業を学んでみてはいかがでしょうか。見学は奥州宇宙遊学館や木村榮記念館なども可能となっています。

  • 構内見学等問合せ先:奥州宇宙遊学館(旧緯度観測所本館)
    TEL:0197-24-2020
  • 観覧料:大人・学生200円、生徒・児童100円
  • 休館日:曜日(休日の場合は翌日)

(岩手経済研究2019年11月号で紹介)