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馬淵川の伝説と源流のある袖山高原

最終更新日:2019年8月1日
風力発電があり、牛が戯れる袖山高原
風力発電があり、牛が戯(たわむ)れる袖山高原(写真提供:葛巻町総務企画課)
馬淵川源泉の水神様
馬淵川源泉の水神様

馬淵川は葛巻町の袖山高原に源を発し八戸市で太平洋に注ぐ県内第2の大河です。その源流に近い はた 地区には馬淵川の名前の由来となった伝説があります。

伝説は―昔、 はた に荒馬を手なずける伝次という若者がいて、三戸の長者の娘 小夜 さよ を嫁に迎えましたが、田舎暮らしを嫌った妻は里に帰ってしまいました。それから伝次は一人馬を可愛がる日々を送っていましたが殿様に召し出され馬飼いとして仕えると、城に仕える侍女 小波 さざなみ と恋仲になり、役目を終えると、殿様にお願いし小波を連れて帰りました。

家に帰ると、里に帰ったはずの小夜がいつの間にか戻っていて二人に嫉妬しました。そして小夜は、伝次が困り果て長者の所へ相談に行った隙を見て、小波を殺し川に投げ込みました。

伝次が家に戻ると小波の姿はなく、あちこち探し馬屋まで来ると愛馬は伝次を案内でもするように川の上流へ駆け出したのでついて行くと淵の向こうに髪を洗う女が見えました。「そなたは小波」と声をかけましたが女は悲しそうに首を振り水の中に消えると、伝次も女を追って淵に身を投げ、それを見た愛馬も一声 いなな き、家へ駆け戻り小夜を蹴殺したあと再び淵に戻り飛び込むと、伝次も馬も二度と浮かんではきませんでした。それから人々はこの淵を「馬淵」、川を「馬淵川」というようになった―という話です。

伝次の屋敷跡とされる場所は約5百年前に八戸から遷座し広く信仰を集めたとされる馬淵(加茂鹿嶋)神社の川向にあり、馬淵はそこから上流の二つ目の砂防ダム付近だったといわれます。

ここから数キロ上流にある袖山高原は標高約1,000メートルの高原牧場となっており、晴れると早池峰山や岩手山など北上高地や奥羽山脈の山々が見渡せます。源流は高原の頂き付近にあり、赤い鳥居の水神様が祀られています。

7月の澄み渡る夏空のもと、雄大な自然が広がる高原で涼やかな風を感じてみてはいかがでしょうか。

  • 問合せ先:葛巻町総務企画課商工観光係
  • TEL:0195-66-2111

(岩手経済研究2019年7月号で紹介)