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だんぶり(とんぼ)長者 泉の酒湧出の地

最終更新日:2016年9月1日
だんぶり(とんぼ)長者 泉の酒湧出の地 ~八幡平市~

日本海に注ぐ米代川の源流がある八幡平市 平又 ひらまた 地区は働き者の若者が「だんぶり長者」となった伝説の地です。

長者伝説は  ー  昔、比内の 独鈷 とっこ という村(現在の秋田県大館市)に両親を亡くした娘が住んでいました。ある晩夢枕に老人( 大日神 だいにちしん )が現れ「川上に行けば夫となる人に出会うだろう」と告げられ、 小豆沢 あずきざわ (現在の同県鹿角市)に行くと、木を切っている若者と出会いました。お告げの人と思い夫婦となり懸命に働きましたが、暮らし向きは一向に良くなりませんでした。ある年の正月、「もっと川上に住むなら福来り」と再びお告げがあり、現在の県境を越え、川の源流 平間田 ひらまた (平又)に辿り着き藪地を開墾し働きました。

夏の暑い日、木陰で休んでいると夫が居眠りを始め、そこに尻尾に酒をつけただんぶり(とんぼ)が飛んで来て口に止まり、そのおいしさで目覚めました。だんぶりが飛んで行った岩陰に夫婦が行ってみると 滾々 こんこん と泉が湧き、飲んでみると今まで味わったことの無い様なおいしい酒でした。酒は万病に効くと たちま ち広まり夫婦は金持ちになりました。子供が無かったことから大日神を信心し、願いが通じたのか女の子を授かりました。時が過ぎ娘は賢く可愛らしい娘となりました。

夫婦はみんなからだんぶり長者と言われていましたが正式に長者を名乗るには天皇の許しが必要で娘を伴い京に行くと、娘は継体天皇に気に入られ、後にお妃(吉祥姫)となりました。国に戻った長者は屋敷を建て多くの人を住まわせたため、米のとぎ汁が川下まで白く流れるようになり、川は米白川(米代川)と言われるようになった  ー  といわれています。

現在「泉の酒湧出の地」には ほこら があり、近くの屋敷跡では以前湧水を汲んでいましたが、震災による崖崩れで今は汲めない状況となっています。また、秋田県の鹿角市にはだんぶり長者が敬まった大日神を まつ る大日霊貴神社や吉祥姫が眠る吉祥院があります。

この夏、涼を求め、だんぶり長者 ゆかり の地を巡る岩手〜秋田の旅はいかがでしょうか。

(岩手経済研究2016年8月号で紹介)