平安初期、東北の英雄アテルイは征夷大将軍坂上田村麻呂と戦いを繰り広げた末、その軍門に下りました。本県には彼らの足跡を現代に伝える史跡がいくつも残っていますが、花巻市東和町にある熊野神社毘沙門堂の
この毘沙門天は、田村麻呂が戦勝に際し、日本の北辺の守護神として奉ったものと伝えられており、高さは4.73メートル。一木造の毘沙門天としては日本最大を誇り、国の重要文化財に指定されています。
昭和63年以降、毘沙門天は収蔵庫に安置されていますが、それまでの長年にわたり仏像を風雨から守ってきたのが毘沙門堂です。この建物は寄棟造の三間堂で、造営年代は不明ですが、その建築様式から室町期の建立と推察されています。県内に残る数少ない中世の建造物として、こちらも国の重要文化財に指定されています。
同神社で有名な催しといえば、毎年5月に行われている「全国泣き相撲大会」です。もともとは地元の男児に限り秋の例大祭に行われてきた神事でしたが、現在では全国からたくさんの豆力士たちが集結する、春の風物詩ともなっています。
- 拝観時間:午前9時30分~午後4時30分
- 料金:無料(毘沙門天の拝観は400円)
- TEL:0198-42-3921
(岩手経済研究2012年12月号で紹介)